2009年7月6日月曜日

劔岳・点の記



評判通り、というか予想してた通りの良い映画だった。初演から12日間で100万人突破したらしい。新田次郎の小説らしく質実剛健で 愛、友情、思いやりの押しつけもなく淡々と話が進む。 山の話なのに、山も谷もなく話が進むので盛り上がりに欠け、強いて言えば哀愁が足らない。もっと立山曼荼羅の話とか長次郎と芦峅寺との確執を描写してほしかった。 

この映画は劔の風景を写すのが第一義ではないかと思うくらい、劔岳はいい顔をしている。日本を代表するカメラマンが映した劔岳の大自然を眺められるだけでも価値はある。 音楽は仙台フィルの生音らしいが、選曲がアラカルトで適当な感じ。ヘンデルのサラバンドが似合う映画ではない。 ダントツは長次郎役の香川照之さん!この人が出ていなかったら観客数はグッと減ったと思う。嫁さん役の鈴木砂羽もいい。(単に好きなだけだけど)この人だけ唯一哀愁が漂っていた。

撮影は主に剣沢で行ったのだろうか?山の遠景と人物の描写とが極端で、引いた画像が無かったのは山小屋や標識や登山道路や祠が映らないようにしたせいか。剣沢小屋のホームページ・Junk Topicで撮影秘話を読んでいたので俳優さんにも親近感がわいた。 結局最後10分間は飛ばして 長次郎沢を詰めたように理解したが、熊の岩で休憩しないの?とか、「命綱つけたか?」と聞いているのに確保もランニングもナシ?とか 突っ込みどころはあった。 猛吹雪の中での大型テントの撤収風景も見せて欲しかった。 だけどあの雪崩や大滑落で怪我もなく、誰も死ななくて良かった。

仲間たち・・・というエンディングロールで山小屋の名前が左からでてきて・・・・・・。地元の方々にとっては一生思い出に残る作品だろうなぁっと羨ましく思った。それにしても日本山岳会ってなんであんなにエラそうなん?


 

2 件のコメント:

はる@ さんのコメント...

 そういえば、昨年、太郎にも撮影隊が泊まりにきてましたっけ。なんでも、薬師岳からの夕景の剱を撮りたいとかで、結局、三泊してったけど、撮れずじまいで、その後、薬師岳山荘に数泊してやっと撮れたようです。

 そうそう、明日から黒部五郎小舎に行って参ります。映画は見られなかったけど、またどこかでやるかな。ではでは行ってきます。

inkknot さんのコメント...

はる@さん、こんちわ、

去年って9月頃太郎に撮影隊が来ていたのですか?そういえば薬師岳山荘や、唐松岳頂上山荘などの名前も出ていましたね。

仙人池からの剣岳って映画と関係あったのかな?なぁんて・・・。外野は煩い。剣沢小屋さんみたいに素直に喜ばないと。

黒部五朗、いいなぁ~~~。お花畑の写真送って下され。